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スヴァールバルで出会った「世界最北の〇〇」
①世界最北のゴーストタウン「ピラミデン」
スピッツベルゲン島にあるピラミデンは、炭鉱で栄えたころとは打って変わって、今ではすっかり寂しいゴーストタウンですが、インフラは整備され、ホテルもありました。この船に乗って、ゴーストタウンツアーに出発です。
船の乗務員とガイドの方。
ゴーストタウンだけでなく、氷河や切り立った崖も見ることができるツアーの航路。
船の中も意外とスペースがあり、万が一船酔いすることがあったりホッキョクグマが襲ってきても問題なさそうです。
冬は海が凍結しているので、スノーモービルでもピラミデンに行くことができるそうです。Nordenskiöldbreen氷河や、鳥の巣がたくさんある崖などを見ながら、ゴーストタウンに向かいます。漂流する氷の上に1匹のアザラシやホッキョクグマがいることがあるので、双眼鏡があるといいです。
8月は巣作りの季節で、この時期に訪れるとパフィン(ニシツノメドリ)など、様々な鳥を見ることができます。
ランチがついているツアーもあり、クジラ肉のバーベキューランチと氷河の氷が入ったウイスキーがついていることも。
氷河の氷が入ったウイスキーは、実際に船員2名が底が網状になった物を海に投げ込みま、船の傍に流れてきた流氷をキャッチするのです。現地調達の氷です!海はちょっと汚いですね。
キャッチした流氷を甲板で船員が砕いてくれます。長い年月をかけてできた、歴史を感じる氷です。ゆっくりと凍った氷なので、中に含まれる空気が多く、氷が溶けるときにパチパチと音がするのが特徴です。ぜひ耳をすまして聞いてみてください。
流氷が漂っていた海の色は少し気になりますが、いつもより美味しく感じるのは言うまでもありません。流氷はいつも流れてくるわけではなく、流れてきてもキャッチに失敗することもあって、このツアーに参加したら必ず流氷入りウイスキーが飲める保証はありませんので、ご注意ください。
ロングイェールビーンから2~3時間ほどかけてスピッツベルゲン島に到着。スピッツベルゲン島からはロシア人ガイドに交代し、ピラミデンの歴史や当時の人々の生活をわかりやすく説明してくれます。
ピラミデンには、パリやロンドンという名前がついているアパートメント、プールやスポーツ施設、学校、音楽ホールを含む文化センター、住民のための食堂施設、食料を蓄えておくための倉庫など様々な建物が存在しています。町として栄えていたことが、よくわかります。当時ここで働いていた人々は、政府からの手厚いサポートなどもあり、住宅や食事に関しては無料でサポートされていたそうです。
世界最北にあるレーニン像。このレーニン像はロシアにはよくあるタイプ(量産型)とのこと。
レーニン像の背後にある文化センターでは、かつて図書館だった場所が部分的に改修されて、お土産ショップや小さなカフェになっています。
ピラミデンにはロシア産ウォッカなどもありましたが、ロシア人にとってピラミデンは馴染みのない場所で、知らない人がまだ多いとのことでした。ただ、ロシアにとっては歴史的にも意味がある場所なので、近年では観光としてくる人も増えているそうです。
「ピラミデン=廃墟の町」というイメージを持っていましたが、町の中心部分はしっかりと改修されており、あまり廃墟という印象はありません。むしろロシアの当時のものがほとんどありのままに残されています。ちょっと離れた炭鉱場のところは、いかにも廃墟な雰囲気です。
複数ある建物の中で、なぜかこのアパートメントのみが鳥の住居にされています。なぜ、この建物を選んだのかは不思議ですが、鳥の鳴き声がひっきりなしに聞こえます。
②世界最北の寿司屋
スヴァールバル諸島にある寿司屋。それはつまり「世界最北の寿司屋」になります。場所は「Hotel Svalbard The Vault」の中にあります。寿司レストランの名前は、「NUGA Sushi & Noodles」。北極圏に近い海の魚達は身が引き締まったブリブリな魚に違いありません。
ヨーロッパのお寿司は、フルーツが入っていたり、アレンジしてあることも多いのですが、シンプルな料理もあります。
ラーメンは、スープが日本のラーメンと比べると少し薄く、麺は、中華麺のような感じです。カリカリに揚げたチキンやブロッコリーが入った創作風ラーメンです。餃子は、皮はパリパリしていますが、味付けは甘く、日本の餃子とは少し違います。ちょっと変わったスヴァールバル餃子として、食べる方がいいかもしれません。世界最北のお寿司屋「NUGA Sushi & Noodles」は、「世界最北のラーメン屋」でもありました。
ちなみに、スーパーマーケットには、寿司を作るための「Sushi Kit」も売っています。ロングイェールビーンの人々は、日本食が好きなようです。
お寿司やラーメンではなく、スヴァールバル諸島ならではのローカル料理が食べたい場合は、ロングイェールビーンにある「Gruvelageret」がおすすめです。ディナーはコースメニューのみ。どれもユニークで拘りのある料理ばかりです。
左がトナカイとマッシュルームソースのマッシュルームラビオリのようなもの(LOCAL MUSHROOMRAVIOLI WITH WINTERDRIED SVALBARD REINDEER AND MUSHROOM SAUCE)で、右がタラバガニソース
と焼きビーツの北極イワナ(ARCTIC CHAR WITH KING CRAB SAUCE AND BAKED BEETROOT)です。
③その他「世界最北の〜」シリーズ
- 世界最北のドローン禁止エリア
ロングイェールビーンは、ほとんどが禁止エリアなので、スヴァールバル諸島でドローンを飛ばすのは難しそうです。
- 世界最北の旅行者向けインフォメーションセンター
ロングイェールビーンを安全に楽しむなら、ツアーに参加することをおすすめします。ピラミデンへ行くツアーもここで予約できます。
- 世界最北の郵便局の私書箱
たくさんの私書箱がありました。青を基調とした中で、赤の色使いは、北欧っぽいですね。
- 「世界最北の博物館 North Pole Expedition Museum」
北極点を目指した当時の人物や状況がかなり詳しく説明されています。当時、北極点に到達することが、いかに大変でかつロマン溢れるものであったのか、伝わってきます。
参考サイト:ドメイン島巡り