琵琶湖には4つの島が浮かんでいます。大きい順に、沖島(おきしま)、竹生島(ちくぶじま)、多景島(たけしま)、沖の白石(おきのしらいし)です。

目次

日本で唯一の淡水湖に浮かぶ有人島「沖島」

近江八幡市の沖合約1.5kmの場所に浮かぶ沖島は、周囲約7km、面積約1.5㎢。じつは日本で唯一の「淡水湖に浮かぶ有人島」です。住民の数は約280人で、そのうち6割が漁業を営んでいます。交番や消防署はありませんが、幼稚園や小学校、郵便局、診療所(内科・小児科)はあります。

元々、世界でも珍しい湖沼の有人島として学術的に認知度の高かった沖島ですが、2013年に離島振興法の適用を受けた後は、「海なし県の離島」として、テレビでも数多く紹介されるようになりました。

島の歴史は古く、万葉集にも沖島を詠んだ歌「淡海の海 沖つ島山    奥まけて わが思ふ妹が 言の繁けく」が残っています。本格的に人が住むようになったのは、平安末期の保元・平治の乱以降と言われていて、平家に敗れた源氏の落武者が住み着いたと言われています。(沖島のご先祖様は漁師でなくて武士なんです、面白いですね!)

野良猫が多く生息していることから「猫の島」の異名をもちますが、近年、野良猫の数は減っているようです。沖島への移動手段は船舶のみで、近江八幡市の堀切港と沖島を結ぶ定期船の沖島通船が1日10~12便運航しているほか、大津港発着の観光船で渡ることもできます。

島の中は車が走っていないので(三輪自転車が活躍♪)、のんびりとした時間が流れています。島の東側(沖島港のある側)に民家が密集していて、島の西側には畑が広がっています。

沖島には、保育園と小学校があります。旧小学校跡地に建っている「おきしま展望台」からは、沖島が一望できます。。他に、お寺が2ケ寺、神社が3社、郵便局が1軒(風景印あります!)、民宿が2件あります。

奥津島神社の鳥居

大津港からほぼ1日をかけて琵琶湖の島々をめぐることができるツアーもおすすめです。(近年は予約がある場合のみおごと温泉港、琵琶湖大橋港を経由します)

沖島へのアクセス方法

JR琵琶湖線近江八幡駅から近江鉄道バス休暇村行きで32分、堀切港下車、沖島港行き定期船に乗り換えて10分、沖島港下船すぐ料金定期船(12便、日曜は10便)=500円(片道)/

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(神の)斎(いつく)島「竹生島」

長浜市の湖岸から約6kmの場所にある竹生島は、周囲約2km、面積約0.14㎢の島。昼間は寺社関係者や売店の従業員が滞在していますが、夜間は無人島となります。島名は「(神の)斎(いつく)島」に由来し、「いつくしま」が「つくぶすま」に変わり、「竹生島」になったといわれています。島名の由来からもわかるように、古くより信仰を集めてきた「神が棲(す)む島」です。

島内には日本三弁財天のひとつである都久夫須麻神社の本殿(国宝)のほか、宝厳寺に唐門(からもん)(国宝)や観音堂(重要文化財)などがあり、年間15万人が訪れる観光スポットになっています。

竹生島へは長浜港、今津港、彦根港から定期便が運航しており、さらに観光船で渡ることもできます。

竹生島は山の一部??地形の謎

竹生島は、面積が約0.14㎢であるのに対し、最高標高が197.6mもあります。そのため島全体が急峻な地形を成しています。琵琶湖西側付近の水深は100m前後あるので、竹生島の湖底からの高さは300mほどになります。琵琶湖のなかにいきなり300mクラスの尖った山があるのは不思議な光景です。

現在の竹生島は、数百万年前に急峻な山岳地帯の一部だったと考えられています。その後、約50~40万年前に琵琶湖周辺に地殻変動が発生。湖底が沈降し、そこに水が溜まっていったため、山地は湖面に沈んでいきました。そのうちの一部が竹生島として残り、湖面から顔を出しているのです。

竹生島へのアクセス方法

JR北陸本線長浜駅から徒歩10分の長浜港から竹生島行き観光船で30分、竹生島港下船すぐ料金入島料=大人400円、小学生300円/宝物館入館料=300円/(汽船の料金は乗り場により異なる)

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日蓮宗見塔寺の境内となっている無人島「多景島」

彦根市八坂町の沖合約6kmの場所にある多景島は、周囲約600mの無人島。島名は、見る角度によって異なる表情を見せることに由来します。島全体が日蓮宗見塔寺(にちれんしゅうけんとうじ)の境内となっていますが、彦根港発着の多景島航路のうち「上陸便」に乗れば多景島に上陸でき、30分滞在することができます。

多景島へのアクセス

JR琵琶湖線彦根駅から無料シャトルバスで15分、彦根港から多景島行き連絡船で20分、多景島港下船すぐ料金乗船料(往復)=大人2000円、小人1000円/(入島料含む)

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大小4つの岩の名称「沖の白石」

湖のほぼ中央に位置する沖の白石は、湖面から突き出す大小4つの岩の名称。名前の由来には、岩が太陽光で白く見えるからという説と、鳥のフンが付着して白く見えるからという説があります。船で周囲を回ると角度によって色が異なって見えることから別名「化石(ばけいし)」と呼ばれています。

付近の水深は約80mで、最も大きな岩の高さは湖面から約20mあり、大岩の湖底からの高さは100m前後あります。湖底からそびえ立つ巨岩の姿は神秘的で、琵琶湖の「パワースポット」のひとつです。岩なので上陸はできませんが、観光船の窓から眺めることができます。