船で24時間の離島小笠原諸島に移住してみた

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目次

小笠原諸島ってどんな島?

小笠原諸島は、江戸時代に発見された列島で、東京都に属しており、東京都から1000km。空港はなく、船でしかいけない離島です。しかも竹芝港から船で24時間もかかります。その代わり山も海も自然が豊かで、ユネスコの世界自然遺産にも登録されています。

小笠原諸島は、父島や兄島、弟島、西島、南島などの父島列島と、母島、姉島、妹島などの母島列島からなります。父島、母島にだけ人が住んでおり、父島は人口2000人、母島は人口400人程度の小さな島です。

離島に移住すると決めた理由

わたしは、大学生の頃から旅が好きで、自転車で西日本を中心に日本を半周し、電車や飛行機、車で全都道府県を社会人2年目で達成しました。

海外旅行も好きで東南アジアを中心に10カ国ほど巡りました。

社会人2年目で正社員をやめ、鹿児島県の徳之島でリゾートバイトにチャレンジしてからわたしの人生は変わりました。

徳之島で海をはじめとした自然の豊かさと、人の暖かさなどの離島の魅力のトリコになり、それからは沖縄や北海道、五島列島などの離島をリゾートバイトをしながら巡り、気づくと40島以上の離島を訪れていました。

そして、SNSで知り合った女の子の紹介で小笠原諸島・父島のレストランで働くことになり、初めて父島に上陸しました。

最初に衝撃だったのは、街からビーチへの距離の近さです!!歩いて5分もせずに美しすぎるビーチに行けます。

そして一番心掴まれたのは、ダイビングでした。これまで伊豆や沖縄、石垣島、和歌山など日本各地のたくさんのスポットで潜ってきましたが、最高の透明度はもとより、小笠原ほど魚の距離が近く、たくさんの群れに出会ったことはありませんでした。

もっと潜りたい!たくさんの奇跡を目の当たりにしたい!と思い、父島への移住を決めました。

離島に移住すると決めてから

わたしは、最初はレストランでリゾートバイトをして働いていたのですが、きちんと正職員で働こうと思い、職場を探し始めました。

わたしは実は正看護師の資格を持っているので、医療系の仕事を探すことにしました。ちなみに、父島には、診療所とデイサービス、老人ホームの3つの医療施設があります。このいずれかに就職を打診してみることにしました。

離島は、内地と比べてかなり不便で特殊な場所なので、土地柄が合わずにすぐに帰ってしまう人が多いです。小笠原は特に1週間に1便しか船が来ず、物資が少ないので、意気揚々と24時間かけて島に辿り着いたはいいものの、その船で帰ってしまうという人も結構いるので、正職員などになろうとするとかなり警戒されてしまいます。

その点、わたしは一度小笠原で働いていたので、小笠原での生活がどういうものかわかっていたので、そこを強みに就活をしました。

診療所は看護師が充足していたので、デイサービスの方に打診すると、ちょうど派遣の看護師の契約が切れるタイミングだったので、面接をして、働かせていただけることになりました。

ちなみに、小笠原村では、看護師を継続的に募集しています。

離島移住の手続き

手続き①元の住所で転居届を提出

元の住所から引っ越しするときの役場の手続きは同じです。引っ越しの2週間前を切ってから役所に転居届を出しに行きます。

わたしの場合、地元を出てから東京で1週間程度滞在して遊び、小笠原に着いてからは、職場の寮が空いておらず、2週間程度ホテルに滞在する予定だったので、転居届を出すことができず、結局家族に代筆をお願いして転居届を出してもらいました。

手続き②島の役場で住所変更

転居届が処理されたら、次は島の役場で住所変更をします。車の運転免許証も役場か警察署で変更しましょう。離島は、市役所などがなく、役場があります。

手続き③ライフラインの確保

引っ越しの前にガスや水道、電気の手続きが必要です。小笠原・父島の場合、電気と水道は電話一本で開通してくれますが、ガスは立ち合いが必要です。

小笠原では、なぜか農協がガスを担当しています。ガスを通すときには水を出してお湯になるかの確認が必要なので、電気、水道を通してからガスをお願いしました。

TVは、小笠原はなぜかBS放送になっていて、村役場で月1600円、年契約なら1万円で繋ぐことができます。

離島への引っ越しはここが不便!

不便なポイント①大きな荷物が運べない

小笠原だけでなく、島嶼部では、引っ越し業者が極端に少なく、小笠原に関しては、引っ越し業者が一つもありません。

なので、郵便局やヤマト運輸などで荷物を運ぶしかないのですが、あまりに大きい荷物は運ぶことができません。なので、ベッドや冷蔵庫、洗濯機などは持ってくることができませんでした。

じゃあ、冷蔵庫、洗濯機なしで生活するの!?

んな訳ありません。いくら不便とは言っても文明の利器には頼りたい。実はamazonなら、ある程度の荷物は運んでくれるんです。

わたしは一人暮らしなので、それほど大容量の冷蔵庫や洗濯機などは必要なかったので、一人暮らし用の冷蔵庫と洗濯機をamazonで注文し、島で仲良くなった建設業者の人に取り付けてもらいました。

離島生活の人には、amazon primeが、送料無料になるのでとってもおすすめです!!暇ときにはamazon primeで映画も観れるし!

注意したいのが、郵便局以外は、東京の港支部に荷物が届いた時点で、荷物が「お届け完了」にみなされることがあります。このせいで、手元に荷物が届いていないのに、画面上は「お届け完了」になり、メルカリで「1週間前に届いているはずなのに一向に連絡がなく、不安な取引でした」なんて低評価をつけられたりします。

不便なポイント②Wifiが繋げない

小笠原では建物が古かったりすると、設置型のWifiを取り付けられないことがあります。なので、スマホやタブレットを使うだけなら大容量の通信容量を契約するのがおすすめです。パソコンも使うなら、ポケットwifiがおすすめです。

不便なポイント③週に1回だけの物資

小笠原で一番不便なのはやはり船しかなく、その船も1週間に1度しかない点でしょう。

スーパーが何軒かありますが、閉まるのも早く、物資が入る入港日の夕方はレジは長蛇の列で、パンの争奪戦です。入港日前は野菜などはほとんどありません。品数も豊富ではないので、欲しいものがないこともザラです。どうしても欲しいものがある時は、ネットショッピング!amazonかメルカリもおすすめです。

奥村の福祉センターには、島民が不用になった物を集めて売るバザーショップ「あゆみの家」があり、活用しています。

5月末に船のドックが2週間程度あり、この期間はおがさわら丸の代わりに、大島や式根島などの東京七島を運航している「さるびあ号」になるのですが、荷物があまり乗らないために、物資がかなり滞ります。

この期間はスーパーが休みがちになりますし、飲食店も軒並み休みになり、カップラーメンで凌ぐ、なんてことも。

ドック期間中に買い物に行くと、ゴボウとニンジンの日持ちする根菜類しか野菜が売ってませんでした。

ドック明けの荷物は、大量で、島民が2000人しかいないのに、5000個も荷物が来たそうですww

不便なポイント④家が限られている

離島は、土地が限られており、大きなマンションなどもないので、家が限られています。都会のように、部屋はどれくらいの大きさで、駅から近くて、バストイレ別で、なんて言ってられません。家族と一緒での移住であれば、都住というアパートに住むこともできますが、島できちんとした仕事を持っていないとなかなか厳しいです。

私は、看護師という職業柄、そして村の職員になることができたので、広い部屋で一人暮らしができていますが、実はこれはとてもラッキーなケースです。

最初から小笠原で一人暮らしを始めてみて、それから仕事を探すのは、小笠原では不可能です。一番確実なのは、ネットで調べてから、ですが、小笠原にきてから仕事を探したいのであれば、ユースホステルなどの長期滞在が可能なホテルで滞在し、居住場所が保障されている仕事やアルバイトを探すのが得策でしょう。居住場所が保障されているアルバイトは、居酒屋やホテルなどがあります。ほとんどリゾートバイト感覚です。アルバイトの場合は、相部屋だったりすることもあるので、一人暮らしがいい場合は、確認が必要です。

3週間以上の滞在で4時間のお手伝いをすれば宿代が浮くホテルもあります。

実際に離島で暮らしてみたら最高だった

そんな不便なことがたくさんある離島ですが、それ以上に楽しいことがたくさんあります。

仕事終わりに天気が良ければ、腹ごしらえをして仮眠して、夜中から星を撮りにいき、空が白んできたらウミガメの産卵を探しに行って、また寝て仕事!

とか「今から飲もう!ビーチ集合!」で浜辺でサメや大きな映画泳いでいるのを観ながらウクレレを引いて、お酒を飲んで、挙げ句の果てに海に飛び込むとか!

美しい海と、楽しい仲間に囲まれて、毎日がのんびりと充実した暮らしができます。

小笠原の生活のここが内地と違う!!

小笠原生活の違い①昼休みは基本家に帰る

小笠原の昼休みは長く、1.5〜2時間あるところがあります。なので、夏にアクティブな人だと、軽くご飯を食べて海で泳いでから午後働く!なんて人もいます。

昼休みは家でゆっくり温かいご飯を作って食べられるのはいいです。海辺でのんびりおにぎり、っていうのも最高ですね。

小笠原生活の違い②休暇は1ヶ月以上取れることも!

小笠原からどこかへ行こうとすると、おがさわら丸に乗らなければいけず、おがさわら丸は、1週間に1便なので、必然的に内地休暇を取ろうとすると1週間は休まなければいけません。1便だけだと内地にいられるのはたった3日程度になってしまうので、2~3週間休みを取れる職場が大半です。

おがさわら丸がドック中には物流がかなり滞り、レストランができなくなるので、ドック期間は1ヶ月以上休むレストランもあり、その間スタッフは同じ期間内地休暇を取ることができます。なので、長期休暇がとても取りやすい環境にはあります。交通費が半端ないですが…。

小笠原生活の違い③医療体制が充足していない

父島には、診療所があるのですが、常勤のベテランドクターが1人、自治医大などから派遣されてくる医師が毎年の入れ替わりで2人います。また、眼科医や歯科医が数ヶ月に一度来て診察してくれます。急患が発生した場合には、海上自衛隊に要請し、ヘリなどの空路で東京の病院へ搬送することもあります。東京の連携病院は、主に広尾病院です。内地の病院に定期的に通院する人もおり、通院でおがさわら丸に乗る場合は、割引が受けられます。

父島、母島ともに小笠原は「始まりと終わりがない島」と呼ばれており、小笠原には産婦人科医がいないため必ず内地で出産しなければなりません。なので、小笠原生まれの人はいません。また、老人ホームはありますが、長期間入院できる設備もないので、看取りは内地の病院で、ということも多いです。もちろん人工呼吸器や透析などが必要なく、老衰であれば、島で最期を迎える方もいらっしゃいます。父島の老人ホームは規模も小さく、常に定員いっぱいなので、どうしても老人ホームに入りたいときには、八丈島の特養に入る人もいます。

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