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Wise(ワイズ)ってどんなサービス?
新しい海外送金の方法として「Wise(ワイズ)」(旧トランスファーワイズ)というサービスを聞いたことがある人も多いかもしれません。銀行よりも大幅に送金手数料を節約できるので、特に海外では人気の海外送金手段です。Wiseは50種類以上の通貨に対応しており、世界で80以上の国と地域に送金が可能です。
しかし、お金を送るとなると、どうしても安全性や評判が気になりますよね。「使い方が難しそう」「本当に安いの?」など、疑問も多いと思います。
この記事では、海外送金サービスWiseを徹底的に解説したレビューを紹介。使い方から口コミまで、Wiseの気になる点を全部見ていきます。
Wiseの特徴
①海外送金と多通貨口座(マルチカレンシー口座)のサービス
②通貨間の両替は常に実際の為替レート(ミッドマーケットレート)
③格安の手数料
Wiseは、世界80各国以上に送金でき、送金の40%が即時、80%が24時間以内に完了できるという便利さで、世界中で利用者数は1000万人以上おり、毎月の送金総額は9000億円を超えています。
Wiseデビットカードを使えば、200以上の国と地域で買い物が可能です。
また、マルチカレンシー口座で50以上の通貨を同時に管理でき、主要10通貨の送金を無料で受け取りができます。現金引き出しに利用できるATMは世界に230万台以上あります。
Wiseのメリットとデメリット
Wiseのメリット
- 隠れコストがなく、手数料が明瞭である
- 銀行など他の海外送金サービスに比べて手数料が安い
- 法務局に資金移動業者として登録したしっかりとしたサービスである
- 個人アカウントまたは法人(ビジネス)アカウントが利用可能
Wiseのデメリット
- ウェブまたはアプリのオンライン利用のみ(支店などはない)
- 送金先の国や通貨によって追加の手数料などがかかる場合がある
- 最初の登録時に本人確認が必要
Wiseは、複数回の国内送金を活用した画期的な送金の仕組みを構築しており、そのため銀行に比べて格安で海外送金ができるようになっています。さらに、最初のシミュレーションで全ての手数料が明瞭に分かり、隠れ手数料一切なしで送金ができるので安心です。
海外送金だけでなく、マルチカレンシー口座の機能があるのもWiseの特徴です。複数の通貨での支払いの受け取りや送金の機会が多い人にとって特に便利ですね。
Wiseの安全性の高さ
Wiseの日本での運営会社であるワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社は、関東財務局によって第二種資金移動業者(第00040号)として免許登録されています。そのため、銀行ではありませんが金融機関と同じレベルのセキュリティで運営されています。もちろん他の国でも、各国の規制に従ってしっかりと監視・運営されているので安心です。
また、詐欺や不正の防止のために、24時間体制で最新のテクノロジーを利用して監視が行われています。徹底した本人確認があるのも、犯罪防止のために重要です。
Wiseと銀行比較:どれだけ安い?
やはり気になるのは、Wiseを使って銀行よりどれだけ安く送金できるのか?
Wiseでは、送金人がA国のWise口座に送金額を入金すると、その額をWiseがB国の受取人の口座に入金する、といった国内送金を活用した仕組みで送金を行っています。そのため、銀行の電信送金にかかる高額な費用が必要ありません。
Wiseの送金手数料は通貨や送金先の国、送金金額などによって決まります。対して銀行は一定額に定められていることが多いため、具体的にどれだけWiseを使ってどれだけ安く送金できるかは送金毎に異なります。
以下では、日本からアメリカに10万円を送金する際の手数料を比較してみました。
送金手数料 | 為替レート (1 USD→JPY) | 相手の受取額 | |
Wise | 660 JPY | 135.750 | 731.79 USD |
ウエスタンユニオン | 250 JPY | 137.027 | 727.96 USD |
SMBC信託銀行プレスティア | 1,750 JPY | 136.708 | 718.68 USD |
楽天銀行 | 3,500 JPY | 136.749 | 705.67 USD |
PayPal | 499 JPY | 143.407 | 693.84 USD |
(※比較は2022年7月8日時点)
この表を見ると、Wiseは必ずしも送金手数料が一番安いというわけではありません。しかし、Wiseが実際の為替レート(ミッドマーケットレート)を使っているのに対し、他のサービスは為替レートに手数料を上乗せしていることが分かります。この為替手数料によって、相手の受け取る金額が大きく変わってきます。
Wiseの送金手数料
Wiseの送金手数料は、固定手数料と変動手数料の2つによって構成されています。
固定手数料:送金手続きにかかる手数料。主要通貨の場合、30~60円程度に設定されています。
変動手数料:為替の両替に伴う手数料。主要通貨の場合、送金額の0.5%〜1.5%程度となっています。
Wiseでは、送金前に全ての手数料が明確に分かるようになっていので、後から追加で手数料が発生することはありません。
例:日本から10万円を海外に送金する場合の手数料
送金先の通貨 | 固定手数料 | 変動手数料 | 合計手数料 |
AUD | 53円 | 596円(0.6%) | 649円 |
BRL | 137円 | 1,412円(1.43%) | 1549円 |
CAD | 59円 | 606円(0.61%) | 665円 |
CHF | 65円 | 635円(0.64%) | 700円 |
GBP | 55円 | 596円(0.6%) | 651円 |
EUR | 43円 | 596円(0.6%) | 639円 |
INR | 55円 | 695円(0.7%) | 750円 |
USD | 64円 | 596円(0.6%) | 660円 |
対応通貨の最新情報の確認はこちら。
Wiseマルチカレンシー口座とデビットカード
Wiseマルチカレンシー口座では、50以上の通貨を同時に保持することができます。送金はもちろん、受け取りや支払いへの利用も簡単です。GBP、EUR、USD、AUD、NZD、CAD、HUF、SGD、TRY、 RONは現地の銀行口座情報を取得できるため、受取手数料がかかりません。
マルチカレンシー口座にリンクされたデビットカードを使えば、残高を使って世界中で決済することができます。外貨のまま決済するか、格安の両替手数料で通貨を両替して支払いやATMでの現金引き出しに利用可能です。
アカウントは Wiseアプリで管理でき、残高をいつでも一目で確認できます。
マルチカレンシー口座・デビットカードの手数料
Wiseの手数料は、こちらのページから確認することができます。以下の表では特に重要な点をまとめました。
サービス | Wiseの手数料 |
口座の開設 | 無料 |
主要10通貨の現地口座情報取得 | 無料 |
50通貨以上の保持 | 無料 |
Wiseデビットカードの発行 | 1,200円(一回限り) |
Wiseデビットカードを使った決済 | 無料 |
ATMからの現金引き出し | 月2回、30,000円までの出金:無料月3回以上、30,000円を超える出金:1.75%、1回の出金あたり+70円 |
通貨間の両替 | 0.41%~(通貨ごとに異なる両替手数料) |
資金の送金 | 0.41%~(通貨ごとに異なる両替手数料) |
送金の受け取り | AUD、CAD、EUR、GBP、HUF、NZD、RON、SGD、TRYとUSD(電信送金を除く)の受け取りは無料USD電信送金は4.14USD |
Wiseのビジネスアカウント
Wiseは個人向けサービスのほかにも、企業や個人事業主を対象としたビジネスアカウントも提供しています。Wiseビジネスでは基本的な送金のほかにも、
- 10通貨の現地口座情報を取得して国際送金をより簡単に受け取り
- 複数の通貨での給与支払い
- CSVファイルを使ってより簡単な一斉送金
- アカウントにユーザーを追加して管理を効率化
- Wise APIを使って送金や支払いを自動化
- クラウド型経費管理サービスとの結合
などが可能になります。
Wiseで多額の送金はできる?
Wiseは少額の送金に最適ですが、高額の送金も取り扱うことができます。100,000英ポンド(またはそれ相当額の通貨)を超える送金では、自動的に送金手数料が割り引きになります。
送金の限度額は100万英ポンド(日本円の場合、送金限度額は100万円)に設定されていますが、それ以上の送金が必要な場合は、Wiseの専門チームに問い合わせることで送金をアレンジすることも可能です。高額な送金の場合は、資金が合法的に取得されたものであることを確認する手続きが必要になる場合もあります。
その他の通貨の送金上限額はこちらから確認できます
Wiseの送金にかかる時間
銀行を使った海外送金は、着金までに数日~1週間程度かかることが一般的です。対してWiseでは、全送金の40%が即時(手続きから20秒以内)、80%が24時間以内に届きます。
実際に送金が届くまでにかかる時間は、送金先の国や通貨、送金額、また入金方法(クレジットカードまたは口座振り込み)などによって変わってきますが、銀行より早く送金したい人はWiseを検討してみても良いですね。
Wiseアプリでは、送金の経過を常に確認することができます。