海の生態系を支えるマリンスノー〜年に数回しか見れないサンゴの産卵〜

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毎年5〜7月の夜、日本の各地のサンゴが一斉に産卵します。その光景はまるで海に雪が降っているように見え、英語ではマリンスノーと呼ばれます。

サンゴは、暖かい海にしかおらず、日本では沖縄から和歌山までの範囲で生息しています。なので、サンゴの産卵がみたい場合は、サンゴがある地域でのナイトダイビングをします。

目次

サンゴの産卵とは?

Coral spawning 2020
Coral spawning 2020

サンゴは、たくさんの生き物の住処となっており、海の生態系を支える大切な存在ですが、その産卵は、年にたった1回だけ行われます。そのタイミングは、サンゴの種類によって違います。違う種類のサンゴが同時に産卵することもあります。

年に一度、サンゴは同じ日の同じ時間のタイミングで卵子と精子の塊(バンドル)を海中に放出し、海面に向かって上昇し、そこで受精が行われます。受精後、卵子は海底に着底し、長い時間をかけてサンゴへと成長していきます。産卵自体は数時間から数日間に及ぶこともあります。  

サンゴの産卵時期はいつ見れる?

Coral spawning 2020
Coral spawning 2020

実は、サンゴがどの時期に産卵するのかは、現在おおよそ予測をすることは出来ますが、産卵自体については今も謎のままで、どのような要因でバンドルが一斉に放出されるのかは明らかになっていません。

サンゴの産卵が近づくと、サンゴの先端を折ってみると中に卵が詰まっているのがわかります。この卵がサンゴの中心から表面に近づいてくるとそろそろサンゴの産卵がありそうだという指標になります。

http://www.hopislander.com/archives/1027663816.html

サンゴの産卵といえば、満月の夜というイメージがありますが、そうとは限らないようです。小笠原では、枝サンゴ(スギノキミドリムシ)の一斉産卵が有名ですが、小笠原の枝サンゴの産卵は、満月ではなく、半月の時の3日間行われ、その1日目を発見することが大切です。そして産卵が始まった翌日に焦点をあてて潜り、サンゴの産卵を見ます。産卵が始まった2日目が最も産卵が大々的に行われます。

サンゴの産卵後の海は独特の生臭さがあり、とびうお桟橋(小笠原の枝サンゴがたくさんある海岸の近くにある港)などにはサンゴの卵が大量に流れ着き、ピンク色に染まります。

小笠原の枝サンゴは、深度によって産卵時期が異なり、浅いところから始まり、どんどん深いところへ産卵が進んでいきます。例えば、1日目は3~5m程の浅いところで始まり、2日目は5~10m程度の深度、3日目は10~20m程度の深度というように産卵します。10~20m程度の深さだと、シロワニが生息する深度なので、シロワニとサンゴの産卵という貴重なシーンが撮れるかも!?

シロワニは夜行性なのでとても迫力あるシーンの撮影も!?

環境要因はサンゴの産卵にどのように影響するの?

サンゴの産卵時期を左右する環境要因はいくつかあります。

  1. 卵子が十分に成熟するためには、産卵の一月前に、海水温が26、27度以上にならなければなりません。
  2. 潮の動きが少ない5月から7月の満月の後、2~6日の間の夜に産卵をします。
  3. また産卵は、卵子が海の中の安全な場所に着床する時間を少しでも長く確保できるように、日没後少なくとも3時間後、プランクトンを食べる生物がすべて眠っている時間帯に行われる可能性が高いです。
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Photo by The Great Barrier Reef via FB

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