目次
ビーチから走って波に乗る「スキムボード」

スキムボードとは、浜辺から波に向かって走り込み、その勢いを利用して波に乗るマリンスポーツです。1920年頃にラグナビーチ(カリフォルニア)のライフガードの遊びから始まったと言われています。サーフィンとスケートボードを合わせたようなスポーツです。
サーフィンのように沖まで手で漕いで行く必要はなく、浜辺を走るだけで波を楽しめるので、泳力に自信がない人にもおすすめのスポーツです。スキムボードは、135cm程度と小さいので、扱いやすく、スノボやスケボーのような技も出来るのが特徴です。
スキムボードの乗り方
スキムボードは、バランス感覚の問われるスポーツです。
①スキムボードを平行にし、右手でボードのボトム部分を持ち、左手でレール部分を持つ
②波打ち際で波が引き始めたタイミングで走り出し、スキムボードを前に水平に放り出し、タッタっと片足ずつボードの上に乗ります。(最初は波に対して斜めに練習してみましょう)
基本はこれだけです!最初は走っての助走ではなく、二、三歩歩いてから乗る練習をするといいです。助走をつけてボード上に乗れるようになれば、次はサーフィンのように波になれるように練習してみましょう。
プロスキムボーダーが解説しているこの動画がとてもわかりやすかったです。
スキムボードの選び方

スキムボードの選び方①サイズ
スキムボードのサイズの選び方の基本は、自分の体重です。
ブランドによってサイズが少しずつ異なりますが、 サイズごとの適正体重が記載されているはずです。
ボートサイズの境目の体重で、どちらのボードを選んだらいいかわからない場合、初心者は大きめのサイズを選ぶのがおすすめです。大きいほど浮力があるため、ビーチスライドが成功しやすいですよ。
運動神経や脚力に自信のある人は、小さめのサイズを選んでもいいでしょう。プラスマイナス3 kgぐらいの差はライディングに問題ありません。
大きさは、成人男性で130㎝前後のボードが一般的です。女性でも男性より数センチほど短いボードが最適なサイズになります。小学生低学年以下の子供は100㎝前後の子供用の板もあります。
自分に合ったサイズでないと、うまく乗れないだけでなく、転倒の危険も伴いますので必ず確認して購入しましょう。
スキムボードの選び方②素材
スキムボードの素材は、「コア材」と「クロス材」によってできており、表面を「レジン」でコーティングされています。
「コア材」とは、スキムボードの中心部分に使われている素材のことです。「レジン」とは、一番外側の表面をコーティングしている樹脂のことで、ポリエステル・ビニルエステル・エポキシなどの種類がありますが、一番性能がいいレジンはエポシキです。ライディングは他のものと変わりませんが、非常に耐久性と接着性が高いため、砂浜というハードな場所で使うにはベストな素材です。
コア材①ウッド
ウッドは名前の通り木の材質で、浮力を必要としないフラットスキムの板として使用されるので、 海用ではなく、陸での練習だと思ってください。
コア材②PUフォーム
ポリウレタンの発泡プラスチックをPUフォームといいます。浮力が少なく水を吸いやすい材質のため、長くスキムボードを続けたい人は避けた方がいいでしょう。
コア材③PVCフォーム
ポリ塩化ビニールの発泡プラスチックをPVCフォームといいます。水を吸いづらく、強度と浮力も持ち合わせています。長くスキムボードを楽しみたい人におすすめのコア材です。
コア材④EPSフォーム
EPSフォームは発泡スチロールのこと。軽くて持ち運びしやすく浮力はありますが、熱に弱く折れやすいためおすすめはできません。夏に車内に置いておくと、熱で劣化しやすいのも特徴です。
次に「クロス材」とは、コア材を包んで補強する素材のことで、クロスの繊維の違いで強度が変わってきます。
クロス材①カーボン
炭素繊維のカーボンを使用したボードは固くしなりにくいので、スピードが出るのが特徴です。滑りやすいため、水面でのコントロールが難しくなるので中級者以上の方におすすめ。
クロス材②E-GLASS
一般的なガラス繊維のクロスです。 E-GLASSを使ったボードは適度にしなり、初心者にも使いやすいボードです。S-GLASSやカーボンより強度はないですが、問題なく使えるクロスです。
クロス材③S-GLASS
高強度ガラス繊維のクロスのこと。E-GLASSよりは固く、カーボンより柔らかいので初心者から上級者まで使いやすいといえます。
レジンとは、一番外側の表面をコーティングしている樹脂のこと。ポリエステル・ビニルエステル・エポキシなどの種類があります。
一番性能がいいレジンはエポシキです。ライディングは他のものと変わりませんが、非常に耐久性と接着性が高いため、砂浜というハードな場所で使うにはベストな素材です。
スキムボードの選び方③形状
形状①レールカット

レールとはボードの横から後ろにかけての曲線の部分をいいます。海で遊ぶスキムボードでは、このレールを沈み込ませてターンします。
- ボキシーレール
丸みのあるレールカットは安定感を重視しているため初心者や中級者向けです。
- テーパーレール
丸みがないぶん小回りが利き、素早い動きをすることができるので上級者向きといえます。
- ミディアムレール
ボキシーレールとテーパーレールの中間です。
形状②ロッカー
ボート前後の反っている部分をロッカーといいます。反りが少ないボードはライディング中に安定しやすく、逆に反りが大きい場合はターンなどの技がしやすくなります。初心者の場合はロッカーがあまりないボードがおすすめです。ロッカーの好みは人それぞれなので、慣れてきたら自分に合ったロッカーを見つけるのもいいですね。
形状③ノーズ・テール

ボードの先端部分をノーズ、後ろの先端部分をテールといいます。ノーズが広めのボードは安定感があるので乗り込みしやすく初心者にも使いやすい形です。テールの形は、ピンテール、スカッシュテール、フィッシュテール、ウィングテールなどがあります。
- ピンテール
クセがなく、安定した滑走性を発揮。軌道修正しやすいので、アプローチした波をしっかりキャッチすることができる。オールマイティで、初心者におすすめ。
- スカッシュテール
テール部分がワイドで浮力があるので、安定したテイクオフが可能。回転性に優れ、クイックなターンを実現。こちらもオールマイティ。
- フィッシュテール
スカッシュテールの特性をさらに強調したテールで、小さい波でもターンしやすいが、多少のクセがある。中上級者向け。
- ウィングテール
距離が伸び、かつレールコントロールもしやすい。レールワークを練習したい人やアグレッシブなリッピングを狙う上級者向け。
おすすめのスキムボードブランド

おすすめのスキムボードブランド①カリフォルニアの老舗「ビクトリアスキムボード」
スキムボード界の世界的ブランドと言えば「ビクトリアスキムボード」。世界で一番歴史のあるボードメーカーです。
ビクトリアスキムボードはテックス・ヘインズらが1976年にカルフォルニアで立ち上げました。現在の上級者向けスキムボードでは当たり前のPVCフォームの採用やバキュームバッグ製法を初めて取り入れたのはビクトリアなので、後発のスキムボードメーカーと比べると経験値が大きく違います。安心安定のブランドですが、今でもボード作りの研究は続いていてぬかりありません。スキムボードと言えば「ビクトリア」と言う認識は大げさではありません。
おすすめのスキムボードブランド②フロリダの大メーカ「ザップスキムボード」
![]() | Zap スキムボード – Cシリーズ コア スキムボード 48インチ(厚さ3/8インチ) コンポジライト構造、連続コア、Eガラスラップ、TuffCoat 光沢仕上げ 新品価格 ¥61,448から |
フロリダから世界中に出荷されているZAPスキムボードもビクトリアに負けないくらいの歴史と実績のある人気ブランドです。ZAPでは高級なプロモデルを含め幅広いラインナップを用意していますがスキムワンでは低価格モデルを中心に取り揃えています。
おすすめのスキムボードブランド③スペインのスキム工房「ドッグフルトスキムボード」

美しく個性的なアートワークと丁寧な仕上げのボード。少しお買い得な価格設定も魅力的。
おすすめのスキムボードブランド④最強スキムチームを持つ「エクサイルスキムボード」

強力なプロスキマーが多く所属しており、トッププロが認めるスキムボードです。裏表のデザイン性が高いのもポイントです。
おすすめのスキムボードブランド⑤Theメイドインジャパン「エビススキムボード」

単なる日本製ではなく、日本一に輝いた現役プロ選手による正真正銘ハンドメイドのボードです。そのため値段がはりますが、他にない個性的なデザインのボードをラインナップしており、他人と被ることはまずないでしょう。
おすすめのスキムボードブランド⑥日本スキムボード協会のオフィシャルスポンサー「MAZAR」
E-GLASSとエポキシを使っているので強度は十分あり、また、丸みのあるボキシーレールなので初心者におすすめのボードです。
おすすめのスキムボードブランド⑦環境に優しくリーズナブルな「ミニデザイン」
スキムボードのブランド「マザー」と姉妹ブランドのミニデザインはリーズナブルで初心者や子供、 女性が最初に選びやすいおすすめブランドです。マザーと同じく、材質も強度があるものを使っているので長く楽しめるのがポイントです。日本製であり、製造工程や廃棄の際に有害物質を排出しないクリーンな芯材を使用しているところも、これからもずっと海を楽しみたい人に選んでほしい理由です。
- 【デッキの積層繊維】E-Glass3層
- 【ボトムの積層繊維】E-Glass3層
- 【樹脂(マトリックス)】エポキシアクリレート(ビニルエステル樹脂)
- 【レール形状】 ボキシーレール
おすすめのスキムボードブランド⑧トラクションパッドとボードケースが付き「SlapFish」
スキムボードは砂浜でボードを落とすため、ボード自体が衝撃を受けやすいスポーツです。
この商品は、ノーズとテールがカーボン強化されているので長く使用できますよ。サイズも豊富なので自分に最適なボードが見つけられます。
スキムボードのアイテム
スキムボードを楽しむためには、スキムボード本体以外にも、滑り止め用のデッキパッドやワックス、ウェットズレを防ぐためのワセリンなどがあると便利です。
- デッキパッド・ワックス
![]() | 7個 サーフボードテール パッド デッキ スキムボード トラクション ストンプマット 新品価格 ¥2,260から |
スキムボードのデッキ部分は、そのままだと滑りやすいので、後ろ足だけ、前足後ろ足両方にデッキパッドを貼ったり、ワックスを塗ったりすると、足が滑りにくくなり、ボードをコントロールしやすくなります。
水温に応じて、適したワックスがあるので、表示を見て選び、使い分けましょう。
- ワセリン

スキムボードは、波打ち際で激しいダッシュを繰り返したりするスポーツなので、トランクスやウェットスーツで皮膚が擦れてしまうことがあります。擦れやすいところにあらかじめワセリンを塗って皮膚を保護しておきましょう。
- スキムボードバッグ
![]() | スキムバッグ (Skim Bag) ハードケース 日本製 (チャコールグレー) 新品価格 ¥10,490から |
スキムボードを入れておく専用のバッグです。ワックスやワセリンなどの小物も入れておけますし、カバンがあると持ち運びや保管にも便利です。
日本でもこれから盛り上がる「スキムボード」

スキムボードは、ビーチを滑るという特性上、サンゴや石だらけのビーチではできませんが、キメの細かい砂地のビーチであれば誰でも簡単に始めることができます。まだまだ歴史の浅いマリンスポーツですが、日本でも大会が解されるようになり、これから盛り上がってくること間違いなしのスポーツです。ぜひ早く取り入れて注目の的になってみては?