寒さが苦手で、ダイビングは夏にするもの、というダイバーさんも多いかと思いますが、そんな方にもぜひおすすめしたいのが、流氷ダイビング。
毎年2〜4月の時期が流氷ダイビングのシーズンです。
目次
流氷ダイビングでどんな生き物が見れるの?見所は?
流氷ダイビングとは、北海道の知床で、氷の張った海に穴を開けて潜るダイビングです。北海道の極寒の海でしか見れない生き物がたくさんです。流氷が溶けてくると動植物プラントンが大発生し、魚介類はもちろん、トドやアザラシなどの海獣もやってきます。
クリオネ
北海道と言えば、クリオネ!!水族館のアイドル、クリオネです。あの愛らしい姿を一度でいいからダイビングで見たいと思いませんか?クリオネを撮るためには一眼レフよりもレンジファインダー機に接写装置をつけた物のほうが確実です。
ナメダンゴ
普段とは色が違う魚も見ることができます。
クラゲ
流氷
やはり、流氷ダイビングなので、流氷を水中から眺めるのも絶景です。なかなかできない体験でもあります。氷によって色が違うので、面白いです。
流氷ダイビングはどこでできるの?
流氷ダイビングができるところは、北海道の北部で知床半島の周辺になります。羅臼や網走などにショップがあります。
- タルタルーガ
網走にあるダイビングショップで、流氷ダイビングでは有名なダイビングショップです。ダイビングだけでなく、冬の時期のアウトドアツアーもやっているので、ダイビング以外のアクティビティも充実です。
- ロビンソン
「DRIFT ICE DIVER SPコース(流氷ダイビング)」のPADIの正式認可を取っているダイビングショップで、氷の下に入る時には、2:1の安心の体制でダイビングができます。うえの写真が、流氷ダイビングのPADIライセンスのカードデザインです。より安全とスキルアップを目指す人にはおすすめのショップです。
「ロビンソン」の流氷ダイビングツアーをチェックする もう一つのサイト
「知床ダイビング企画」は、とても人気のあるショップで、1月頭に連絡すると、すでに予約がいっぱいとのことでした。早い人では一年前から予約をする人もいるのだとか。毎年いつ流氷が来るかはわからないですが、早めに予約が必要なショップです。
流氷ダイビングをするのに必要な資格
実は、流氷ダイビングをするのは、それほど高いハードルではありません。PADIのアドバンス・ウォーター・ダイバー以上のランクのライセンスと、ドライスーツの経験があれば、参加できます。
PADIの流氷ダイビングを経験すると、オリジナルのライセンスカードがもらえます。ぜひとも欲しいかわいいデザインですね!
流氷ダイビングに必要なもの
極寒の海に潜るのですから、いくらドライスーツを着ても寒いです。高品質な防寒対策をしましょう。冬に潜ることが少ない人は、もちろんショップでフルレンタルも可能です。
- ドライスーツ
極寒の海なので、絶対にドライスーツが必要です。ワールドダイブが取り扱っているシェルドライスーツのIC9700がとてもおすすめです。シェルドライスーツとは、体にフィットするようオーダーメイドで作ることが多いドライスーツと違い、インナーを中に着ることを前提として作られており、とても厚くて暖かい生地で作られています。一人での脱ぎ着もできます。デザインもめちゃくちゃかっこいいです!!
モビーディック社のシェルドライスーツ もおすすめです。米軍のスーツにも採用されており、安価で、何年も使ってもピンホールが開かないと大好評です。北欧チックな可愛いデザインのドライスーツもあります。
- フードベスト
- ボートコート
Diki Home ダイビングトレンチコート ダイビングスーツ ウインドブレーカー ダイビング コート サンプロテクションウォームダイビングジャケット 3mm 紫外線防護 暖かく保つ ワンサイズ 新品価格¥8,099から |
- 3本指の冬用グローブ
ZERO (ゼロ) サーモグローブ 5mm 3本指 (ミトン) [TG-531] (XL) 新品価格¥10,670から |
極厚の寒冷地用、やっぱり3本指ミトン。ミトンタイプの方が、温度が逃げにくく、暖かいです。ただ写真が撮りにくくなるのが難点です。
流氷ダイビングの料金
流氷ダイビングなんて、特別なダイビング、どうせ高いんでしょ!とお思いの方、めちゃくちゃ高いです。なんと2本分のダイビングで44000円です!!フルレンタルも含めると66000円とかなり高額なのですが、一生の思い出にぜひ経験したいですね。ダイビングは1日3本することが多いですが、めちゃくちゃ寒いので、2本で十分です。
流氷ダイビングの注意点
流氷ダイビングは楽しいだけでなく、普通のダイビングと比べて注意しないといけない点もあります。流氷が接岸する時期は毎年違うので、流氷が接岸しているかどうかをあらかじめショップに確認してから旅行の予定を立てるといいです。
- タンクはたてておく
タンクは横に倒しておくのが常識ですが、横に倒してしまうと、冷たすぎる地面に触れる面積が大きくなり、ねじりや、タンクにつながっているホースなどが凍ってしまうことがあります。
- タンクはゆっくり開ける
ホースが凍っていることがあり、急激な空気の流入によって、ホースが破裂することを防ぎます。
- パージボタンは押さない
氷点下になるため、凍ってしまうことがあり、フリーフローにつながる可能性があるので、ここは、押さずに、実際に吸ってみて、空気がきちんと出ているか確認しましょう。
- エントリー時はコントロールラインで
氷で滑りやすく、エントリーの穴も小さいです。さらに、ドライスーツは沈みにくいので、コントロールラインというロープを使って潜水して行きます。
- 急浮上に注意
エントリーは、海に穴を開けて行い、エグジットも同じ穴から行います。なので、もしフリーエアーになってしまったなど、トラブルがあったときに、他の箇所から水面に出れないため、あらかじめトラブルがないかの綿密な器材チェックが必要です。
- 水から上がった後は水分除去
水上は、氷点下なので、すぐに水分を除去しないと凍ってしまいます。乾燥させた器材を持ってくるのはもちろんですが、ダイビング後は水分が残らないようにしましょう。
- カメラはフル充電
特別な装備は要りませんが、バッテリーはフル充電しておかないと寒さですぐに無くなってしまいます。バッテリーの替えは必ず準備しておきましょう。一本につき、バッテリー1つ使うくらいでいた方がいいです。また、純正のものでないと、こういった過酷な環境下では使う前から充電がなくなってしまう場合もあるので、純正のバッテリーを用意しておくことをおすすめします。ハウジングを使う場合、シャッターが電磁スイッチの物は凍結して押せなくなることもあるようです。また流氷下は暗いのでフォーカスライトがあったほうがいいです。
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実際に流氷ダイビングを体験してみた!
2022年の2月末に実際に流氷ダイビングに参加してきました。2月末は流氷は溶けてくる時期で、流氷に穴を開けて潜るということはできず、浜から流氷へビーチエントリーという形でした。機材は全てフルレンタルでしました。浜の近くにテントが建てられており、そこでドライスーツを着ました。
私は下はタイツ+ジーパン、上は極暖ヒートテック+セーター+スキーのミドラー、貼るカイロを背中とお腹に貼るという服装で挑んだのですが、正直めちゃくちゃ寒かったので、上下ともにユニクロのウルトラライトダウン級の超絶暖かい格好で潜ることをおすすめします。しかし、分厚すぎると動きにくいので、できるだけ薄くて暖かいものを!
ドライスーツの水没を防ぐために首元や手元をバンドで固定するのですが、これがめちゃくちゃに苦しい!ウェイトが12kgととても重い上に、首が苦しくて身動きも取れず、かなりきついダイビングでした。ドライスーツに慣れていないということもあり、全然自分では身動きができなかったので、BCDとタンクを背負うのも脱ぐのもほとんど手伝ってもらい、タンクチェンジも全てやってもらいました。さらに、寒さで毛細血管が収縮したのか、鼻が詰まってしまい、耳抜きをするのも一苦労でした。ダイビングが終わってからうっすら鼻血も出ていました。たった5mそこらの深度なのに!
流氷の下の世界はとっても神秘的でとても美しかったです。一生に一度は見ておいて損がない景色です!
浅いところでは流氷が溶け出しており、視界が悪いし、自分のマスクではなかったので水も入ってきてしまい、パニック寸前でした。しかし、3人のゲストのうち、1人のゲストさんがパニックになり、浮き上がっていってしまっているのをみて、なんとか平常心を保ちました。あとから聞くと、レギュレーターも外してしまっていたらしく、死ぬところだったそうです!!流氷ダイビングは、海面には氷が張っていて、海面に出ることができないので、レギュレーターを外してしまうとマジで死にます!!ガイドさんが「俺のガイド人生終わるかと思った」と呟いていました…。
レギュレーター外しちゃダメ!絶対!!
希望すれば3本ダイビングができるとのことだったのですが、極寒だったので、2本でギブアップ。お昼は温かい鮭のクリームシチューを用意してくれていました。
午後からはいつまでも遊んで良い、とのことだったので、流氷ウォークも自分たちで施行!!グラグラ動く流氷の上を落ちながら歩くのはとっても楽しかったです!全然寒くなかったし。